クンダリーニヨガをネットで検索してみると、一定数
『危険』
というワードが出てきます。
何故そう云われるのでしょうか?
その辺りを深掘りしていくと、正統な知識と技術を持った指導者から教わる重要性というのが見えてきます。
それでは危険と言われる理由について、私なりの解釈が多分に含まれておりますが確認していきましょう。
危険な理由とは?
そもそも何故危険と云われているのでしょうか?
以前の記事でも書きましたが、クンダリーニヨガで超能力が手に入る!宇宙が見える!だから危険だ!というような、そんなトンデモ解釈による事が大きいのではないかと思われる事の他に、もしかしたら実害があるのかも?といった理由もあるみたいです。
その実害と思しきものについては
【クンダリーニ症候群】
と呼ばれる症状があるとの事です。
以下詳細について、ウィキペディアから一部引用させていただいて確認してみましょう。
クンダリニー症候群[編集]
クンダリニー症候群(英:Kundalini syndrome 中:走火入魔)、生理的クンダリニー症候群(略称・PKS)は、霊的・精神的・身体的な準備ができていないにもかかわらず意図的または事故等によりクンダリニーがある程度覚醒してしまったために、様々な快・不快の症状を発症することである。トランスパーソナル心理学・精神医学の分野で研究が進められているが、研究途上にあり科学的・客観的根拠に乏しいため、研究者によって考え方が異なっている。
他の病気にもみられる症状を自分でクンダリニー症候群だと思い込むケースが多いとされる[13]が、実際にクンダリニー症候群であるにもかかわらず単なる精神病と誤診されるケースもあるようである[14]。むずむず足症候群、統合失調症は、クンダリニー症候群と症状のうえで重なる点もある。PKSに関しては、「男性よりも女性に」「若い世代ほど」経験者が多いといった調査結果も存在する[15]。
発症要因[編集]
中毒症状や病気、過労、仙骨付近の負傷、臨死体験(NDE後遺症)などにより発症する可能性がある[16]。特に臨死体験(NDE)経験者が最もクンダリニー上昇に近い経験をしているという主張が欧米の研究者を中心になされている。他に、急進的な解脱願望を抱いた状態または神への絶対帰依を欠いた状態での修行の継続の結果や、さらには人生の困難、交通事故などにより身体にかかる衝撃[17]、出産時のショック[17]、過度の前戯[4]などによっても誘発されるおそれがあるという説がある。なお、LSDなど薬物を利用した覚醒は偽りのものであり、アクシデントに陥りクンダリニーが堕胎してしまう危険性が高いとされる[16]。
また、クンダリニーを思い通りに、意図的に上昇させようとするクンダリニー・ヨーガを激しく修行し実践する場合、その「思い通りに、意図的に」とは真我ではなく小我にとってのそれであるため、クンダリニーが動的なナーディーであるピンガラー・ナーディーのみを通ってサマーディに入定してしまうことがあり、このようなケースにおいてもクンダリニー症候群が発症する。
症例[編集]
自律神経系のうち交感神経系の暴走からくる自律神経失調症をはじめ、至福恍惚感[18]、全身の激しい脈動、脈拍数の増加と高血圧[19]、片頭痛[20]、急性または慢性の疲労[13]、性欲の昂進あるいは減退[13]、統合失調症的症状[13]、幻視・幻聴[17]、抑鬱[13]、神経症などを発症するおそれがあり、臨死体験や空中浮遊、脳溢血や半身不随[17]、自殺などを招いてしまうなどと主張するグルもいる[要出典]。
元々境界例や自己愛的な病を患っていたり精神病を潜在的に抱えている患者に、クンダリニー覚醒に先立って元々の病が押し出されるという説もある[15]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%BC#%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%BC%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
ここから分かる事としては
『なんらかの突発的な事象によって様々な症状を発してしまい、肉体的のみならず精神的にダメージを負ってしまう』
という事ですかね。
クンダリーニヨガに関しても若干書かれており
『激しく修行』
すると、そうなってしまう可能性があるとの事です。
また
『深い瞑想』
によってもクンダリーニが強制的に呼び起こされて、この症候群を発症するとも云われております。
他の項目でのお話は門外漢なので述べる事は出来ませんが、クンダリーニヨガの項目で確認してみましょう。
やはり危険なもの?
先述のように、やはりクンダリーニヨガは危険なものなのでしょうか?
クンダリーニ症候群は、クンダリーニヨガというよりクンダリーニ・エネルギーの方に焦点が当たっている気がするのですが、そもそもクンダリーニに対しての説明がありませんし、その名前の類似性からクンダリーニヨガも危険だとなったのかもしれませんね。
どちらにせよ、私が言える事としては
『正しい手順を踏まえ、やるべき事をしっかりやっていれば大丈夫』
という事です。
正統なクンダリーニヨガは一子相伝に近いところがあるので、それを知る指導者から学ばなければなりません。
指導者は、教えを乞う方の状態や理解度を繊細に見極めて、レベルに合った内容を提供し、調整しながら導いて行く存在です。
それを指導者からしっかりと見極めてもらい、その教えを無視しなければ安全だと言えるでしょう。
レベルアップとは、段階を経て行っていくものです。
なんでもそうだと思いますが、何事も順序があってそれをクリアしていく事で次のレベルに行けるように、そのレベルに行っても大丈夫だという状態になるまでは時間が掛かります。
それをすっ飛ばして、本来の自分のレベルよりもずっと高いレベルの事をやるのは危険だ、というのは火を見るより明らかです。
それは「激しく修行」すれば、そういった危険に見舞われるのは当たり前と言えるでしょう。
正統な指導者から、正しい手順を学びながらそれを落とし込みチェックをしてもらい、やるべき事を手を抜かずにやっていけば危険どころか安全に行っていく事が出来ます。
たまたま知った方が見よう見まねで、詳細を理解せず「独学」で行うのも危険なので止めておいた方がいいですね。
本当に安全?
では全く何の心配もなく安全なものなのでしょうか?
物事には少なからずリスクが伴うように、それはクンダリーニヨガにおいても例外ではありません。
体の弱いところに影響が出る
クンダリーニヨガでは
『活性』と『上昇』
という、2つのメカニズムをバランスよく行う事が重要と言われております。
クンダリーニのエネルギーが持つ力は強いとされており、その為『上昇』が足りないと、体の弱いところに影響が出てしまうと云われております。
これは、『活性』のレベルアップに伴って『上昇』させる工程も同じようにレベルアップさせる事で対処出来ると云われておりますので、正統な指導者からの教えを実行出来ていれば防げるところだと思います。
理解不足からのもの
もうひとつ危険性を挙げるとしたら、クンダリーニヨガをオカルトだと捉えてそれに走ってしまう事でしょうか。
これはシンプルに理解不足だと言えるでしょう。
クンダリーニヨガを行うに辺り、まず最初に獲得したい体感や現象というのがあります。
まず1つ目が『尾てい骨の辺りに熱感を感じる』というものです。
これは先述した『活性』の工程が、順調にレベルアップしている事を表す体感現象と云われております。
2つ目が『発光現象を確認する事』というものです。
目を瞑っている状態で、目の前にライトの光を当てられたような眩しさを感じるのが、発光現象と云われております。
とてもオカルトっぽいのですが…
ここだけを聞くとそう思いますよね(笑)
この後の説明をお聞きください。
この発光現象は、先述した『上昇』が上手く行えているかの確認が出来る現象と云われております。
クンダリーニヨガでは、とにかく考えられないぐらいの呼吸を行います。
それによって脳への酸素供給量が上がり、脳が活性化して活動領域が増え、その結果そのような現象が体感出来ると云われております。
ようするに発光現象は『トレーニングが順調に進んでいる』というのが分かる反応だという事です。
このような事を理解しておけば、決してオカルトに走るなんて事はないと思います。
まとめると
『クンダリーニのエネルギーを逃し切れない為に弱いところに反応が出てしまう事』
『正統な指導者から学んでいない為に様々な現象をオカルトに捉えてしまう事』
以上が、クンダリーニヨガにおいて危険と言える部分かと思います。
ヨガは魔法?
そんな一方で、ヨガで病気が治ると考えている方も一定数いらっしゃるようで…
クンダリーニヨガを世に広めたヨギ・バジャン師は
『病気になった時にはヨガで治そうとするのではなく、病院に行って治せるものならそうしなさい』
とのお考えを持っていらっしゃったようです。
かなりのリアリストであり、冷静な視点をお持ちだというのがお分かりいただけると思います。
ですから、自身でも学び、理解し、冷静な視点を身に付けた正統な指導者から教わるというのが大切なのです。
おわりに
クンダリーニヨガが危険かもという印象は、ヨガの哲学における独特な用語などからも来ているのかもしれません。
確かにヨガでは神秘的でスピリチュアルなワードが多い為、そういった印象が付いてしまうのもしょうがないのかもしれませんが…
そもそもクンダリーニヨガにおけるクンダリーニ・エネルギーとは、誰もが普通に持っているエネルギーと解釈されております。
そして、殆どの人はその存在すら知らないまま、一生を終えてしまうと云われております。
無尽蔵のエネルギーの貯蔵庫があるのに、それを活かさないのは勿体無いから活かそうぜ!というのがクンダリーニヨガです。
クンダリーニ・エネルギーを活性化させる為には
焦らずに自分の今のレベルを冷静に見つめて、理解しながらトレーニングを積み重ね、自分のペースを崩さずに、自然な進歩の中でエネルギーを活性化させていく事が大事です。
ですから、クンダリーニヨガは他者と競いません。
ポーズ主体ではないので他者と競う必要もなく、常に自分自身と向き合い、セルフコンディショニングが行えるので誰もが行える、そんなヨガがクンダリーニヨガです。
そして、クンダリーニヨガで宇宙に行ける訳でもありません。
クンダリーニヨガを取り入れる事で、より高い意識で現実に地に足を付けて生活する事が出来るのです。
最後に統括としまして
『クンダリーニヨガに対する理解力を深めて適切に扱えば危険性は少ない』
というのが、現時点での私が言える事です。
今回の記事で、少しはクンダリーニヨガに対する誤解を解く事が出来たなら幸いです。
今回もご覧いただきありがとうございました!
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