以前の記事で『指導者とプレーヤーの違い』について、私見を述べさせていただきました。
今回はもう少し細分化した形で、進めていきたいと思います。

インストラクターとトレーナーの違いですね。
似て非なる存在がこの2つの関係性です。
私見が存分に含まれておりますが、ひとつの解釈としてご覧いただけたらと思います。
※この記事におけるトレーナーとは、パーソナルトレーナーのことを指します。
インストラクターとトレーナーについての基本情報


まずは両者についての基本的な情報を確認していきましょう。
フィットネスクラブにおける立ち位置として見ていただけたらと思います。
インストラクターとは?
・多くは複数の店舗と業務委託契約を結び、スタジオレッスンをメインに活動を行う。
・一対複数を相手にして行う。
・自分が主役となり、引っ張っていく存在。
・お客様を自らのテンションに巻き込んでいき、運動の主導権を常に握る。
・その気にさせる煽りが上手い。
・カリスマと呼ばれる存在が誕生するのがこちらだという印象です。
トレーナーとは?
・多くはスタッフとしてフィットネスクラブで働きながら、そのフィットネスクラブで発行しているパーソナルトレーナーの資格を取って活動を行う。
・一対一がメイン。
・お客様が横道に逸れそうな時に、そっちじゃないよ!このまま進んで大丈夫なんだよ!というような感じで、後ろからそっとサポートする存在。
・トレーニングの内容によって、お客様のテンションをコントロールする。
・徹底的に裏方に周り、お客様が目標達成出来るように、縁の下で支える存在。
以上が、私が思う基本的な情報といったところです。
あくまでも、私が思うというところなので、一例としてご確認ください。
私が思う特徴・インストラクター


インストラクターは、スタジオレッスンがメインとなるので、一度に多くの方に対しての指導となります。
なので、ひとつの動きを正しく行なっていただくために、10人いたら限りなく10人に伝わるようにキューイング(声による動作の説明)やビジュアルキューイング(正しい動作を見せる)といったテクニックを駆使して指導を行います。
例として、レッスンの中でスクワットを行う時に、イスに座るようにお尻を後ろに引きましょう!や、膝をつま先より極端に前に出さないようにしましょう!などといった、キューイングのバリエーションは豊富に持っていなければなりません。
それに伴って、実際に自身も動いてビジュアルキューイングをしながらとなるため、見本となる動きがしっかり行えていなければなりません。
ここでインストラクターのフォームがしっかり行えていないと、受けていただくお客様がその間違ったフォームに合わせて行おうとしてしまうので、怪我などのエラーに繋がってしまいます。
ですので、その動作を自身も適切に行えていることが大前提となります。
さらには、立体的に見せるテクニック(正面の動きはもちろんのこと、横からの動きなど)なども必要となるので、忙しなく動いての指導となります。
後は
『私、俺について来い!』
という引っ張りの強さを持っていなければなりません。
その空間を支配して進めなければならないため、多少強引なぐらいがちょうど良いということです。
運動効果ももちろん大事にしていますが、運動は楽しい!と思っていただくことを重視している印象です。
私が思う特徴・トレーナー


トレーナーは、マンツーマンでの運動指導となるため、より個別なお悩みに対しての指導となります。
目的や目標を確認して、それを達成するために、ある程度の長いスパンでお客様に向き合っていきます。
運動種目の選定や強度調整、フォームの指導を行ったりと、細かい部分に目を向けて直接的に手も使いながら、指導を行います。
トレーナーは、引っ張りの強さというよりかは、裏方的なスタンスになるので、前面に出るのではなくサポートしていくというスタンスとなります。
なので、受けていただく方がより良くなっていくように進めていくことを重視している印象です。
勘違いされやすいこと





スタジオレッスンもパーソナルトレーニングも
側から見ているとどれも同じように見えるのですが…



誰の受けても一緒ですよね?



簡単そうで同じような指導に見えても、全く違います。
興味がない方にしてみると、そう思うのも分からなくはないのですが、実際にいくつか受けていただければ、その違いに気が付くはずです。
こればかりは、受けてくださいとしか言いようがないので申し訳ございませんが、いくつかその辺りを確認してみましょう。
例えば、エアロビクスのレッスンをひとつとっても、インストラクターによって内容や強度も全然違います。
キューイングの仕方、一連の流れの組み方、初級なのか上級なのか、時間が30分なのか45分なのかetc.
例えば、パーソナルトレーニングで、別々なトレーナーがスクワットを指導していたとしても、フォームや注意点といった細かい部分が全然違います。
足幅は広いのか狭いのか、下半身の動きを意識して欲しいのか上半身を安定させることを意識して欲しいのか、呼吸はどういうリズムで取って欲しいのかetc.
ざっくりですが、これだけの違いが出てきます。
インストラクターやトレーナーも人間です。
十人十色です。
仕事に対する考え方や理想も人それぞれです。
それぞれに得意分野や苦手分野ももちろんあります。
それは指導にも大いに反映されております。
それぞれの思いが入り、血が通って熱が入っているはずなのです。
同じように見えるからといって、全く同じになるなんてことはあり得ません。
ひとつやふたつ受けたぐらいでは判断は難しいと思いますので、是非実際に色々と受けてみてください。
受けていただければ、私の言っていることが少しはご理解いただけるかと思います。
カリスマは存在する?





インストラクターやトレーナーにも
カリスマと呼ばれる方は存在しますか?



各地のスポーツクラブなどで
そう呼ばれる方々は存在していますね。



ただ、個人的な見解として、カリスマと呼ばれるのは
インストラクターに限ったことかな?と思います。
理由としましては、先に挙げた特徴に由来します。
私のイメージ的なものも加わっているのですが、カリスマとは、他の追随を許さず、自他共に認める唯一無二と呼べる存在というものだと考えております。
ここには、私・俺が一番だ!という、エゴイスティックな側面を隠さずに出していけるかどうか、というものも持っていなければなりません。
何せ、1対数十人という構図で立ち向かわなければならず、さらにはその数十人を引っ張っていかなければならないため、雰囲気に飲み込まれていては話にならない訳です。
この人に付いて行きたい!何か気になる!と思わせる魅力も兼ね備えていなければならなかったり、素質も大いに関わってくるため、頑張って中々なれるものではありません。



なるほど。
だからカリスマはインストラクターに適用されるものだ
ということですね。



そうなのです。
逆にトレーナーは裏方に徹する存在のため
カリスマとは真逆かもしれません。
キャラを見極める 〜同業者へ〜





ということはインストラクターとトレーナーを目指す上で
向き不向きもありそうですね。



そうですね。
ただ、インストラクターでもエアロビクスなどのダンス系や
ヨガやストレッチ系によっても変わってきますし、トレーナーでも
ダイエット系やコンディショニング系でもガラッと変わるので
自分に何が合うかは各々分かりやすいかと思います。



なるほど。
では自分が目指したい方向で
トップを走っている人の真似をすれば
同じようになれるのでしょうか?



何らかのヒントは得られると思いますが
残念ながら必ずそうなれるとは限りません。
これは当たり前のことで、その人になりたいからといってその人にはなれないからです。
真似をしたところで、それはその人以上にはなれないですし、そもそも大前提として
自分のキャラに合っているのかいないのか?
ということを考えなければなりません。
例えば、周りから普段は真面目だと言われている方が、オラオラ系のキャラでレッスンをした時に、客観的に見てそれがハマっているのであれば良いと思いますが、そうではなく違和感の方が大きいのであれば、軌道修正をする必要がありそうです。
ここを意外と客観視出来ていない方が多いという印象があります。
例えば、話し方や接し方や雰囲気が柔らかく、優しい指導に定評があって、ストレッチ系のレッスンがハマっているのに、ガチガチのトレーニングで煽りながら、ガンガン追い込むレッスンを行うというのは、違和感が大きいだろうというのは分かりやすいと思います。
(これはフィットネスクラブのレッスンを充てる方の問題でもあるとは思いますが…)
以上のことからも
自分がやりたい・そうなりたいと思った時に、それが違和感にならずにハマるキャラに作り上げる必要がある
というのが、インストラクターにおいてもトレーナーにおいても、比較的大きな要素になってくる部分かと感じているところです。
おわりに


多くの方が認めるような、この人のレッスンに出ておけば・この人に見てもらえば間違いないと思う人がいたとして、その方々に全てのお客様がつくように思いますが、実際のところそうとはなりません。
それは何故でしょうか?
そこにはもちろん様々な理由があることと思います。
近くにそのインストラクターやトレーナーがいない
場所が遠い
求めている目的に合っていない
別に誰でも良い
この人よりも凄かろうが、むしろこの人が良い
etc.
ピンからキリまで、色々なインストラクターやトレーナーの方々とお会いしてきて、私の中でひとつの答えに辿り着きました。
最終的には人につく
ということです。
具体例を挙げましょう。
私が言えた立場ではないことは重々承知しているので大変申し訳ございませんが、そんな私から見ても、なんでこの人に見てもらっているのだろう…と感じてしまうインストラクターやトレーナーもいます。
私が見た一例で申し上げますと、挨拶をしても返してこないインストラクターや、お客様に30分以上エアロバイクを漕がせて、自分は後ろで携帯をポチポチいじるというトレーナーなどというような感じですね。
そんなインストラクターやトレーナーだとしても、お客様が何故かつくという現実を考えると、最終的には人につくというところに落ち着いた訳です。
出来れば先に挙げた人たちは避けていただきたいという思いもありますので、お客様である皆様は、自分が受けてみて、楽しい!しっくりくる!これだったら続けられる!と感じることが出来る指導者を選ぶようにしましょう。
そういった方と出会うために妥協してはいけません。
体験やら見学やら何やらと、たくさん受けて見つけて行きましょう。
インストラクターやトレーナーを目指す皆様は
カリスマになりたいならインストラクター
→皆様の前にいて、常に道を照らし出し、引っ張っていく存在。
縁の下の力持ちになりたいならパーソナルトレーナー
→お客様の後ろにいて、いくつかある道の中から、その方に合うであろう道を指し示したり、またはその方が進みたい道を歩きやすいようにサポートしていく存在。
自分がやりたいことと、キャラがマッチする方を選んでいきましょう。



今回もご覧いただきありがとうございました!



パーソナルトレーニングのお問い合わせは
こちらからよろしくお願いいたします!